国土数値情報 土地利用細分メッシュデータとQGISを活用した都市開発の変遷把握
2026年3月 国土交通省 政策統括官付 地理空間情報課
ライセンス
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この記事では、国土数値情報で公開されている土地利用細分メッシュデータを対象に、QGISを用いた活用方法を解説します。主に自治体職員や都市計画コンサルタントに加え、防災・環境分野の実務者、インフラ・不動産関連業務に携わる方、研究・教育分野の利用者を想定し、以下の解析方法を紹介します。
1.
土地利用変遷を地図上で可視化
(1)
複数年度の土地利用区分を地図上で可視化します。
(2)
新旧の土地利用区分データを地図で見比べることで、土地利用の変遷を把握できるようにします。
2.
土地利用変遷の解析(クロス集計)
(1)
QGISプラグインGroup Statsを活用し、土地利用の変遷についてクロス集計を実施します。
(2)
クロス集計したデータを加工し、年度間で遷移した土地利用の特徴を把握できるようにします。
これらの手法により、土地利用の変化や転用傾向を視覚的・定量的に把握し、都市構造の分析や防災・環境施策、土地利用計画の検討などに活用できます。
・この記事は、QGIS3.40で執筆しています。
・QGISの基本操作(レイヤの追加やスタイルの設定など)ができることを前提としています。
千葉県流山市は、住宅情報サイトが毎年公表する「住みたい街ランキング」で上位に名を連ね、全国トップクラスの人口増加率2016~2021年に全国の市で人口増加率1位)を誇る市です。
2015年から2025年の間で人口は約4万人増えており、35~39歳代の人口のボリュームが最も多く増えています。
参考:流山市HP(https://www.city.nagareyama.chiba.jp/appeal/1003878/1003882.html)
この人口増加の背景には、2005年のつくばエクスプレスの開通が影響しています。
つくばエクスプレス開通後、市内の流山おおたかの森駅周辺では、大型商業施設やタワーマンション群が建設され、駅から少し離れたエリアでは区画整理された戸建て住宅の開発が進みました。
また、人口増加に伴い、公園や学校などの公共インフラの整備も進められています。このことから、流山市では広域にわたる土地利用の変化が2005年以降にあったと推測できます。
この記事では、この人口増加がめざましい流山市の近年の土地利用状況の変化について、国土数値情報 土地利用細分メッシュデータを使用して把握を行います。
土地利用細分メッシュデータとは、国土数値情報において整備・公開されている土地利用に関する判読データで、全国を一定のメッシュ(
3次メッシュ1/10細分区画(100mメッシュ))に区切り、それぞれの区画ごとに土地利用区分を付与したものです。
土地利用区分には、建物用地、道路、森林、ゴルフ場などが含まれており、地域の土地利用の実態を面的に把握することができます。
https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/L03_reading_case_202302.pdf
この土地利用細分メッシュデータを、GISソフトを用いて地図上に可視化したり、他の統計データや災害リスク情報などと組み合わせて分析したりすることで、
都市計画や国土利用計画の検討をはじめ、土地利用の変化分析、防災・環境分野での基礎資料など、さまざまな分野で活用がされています。
また、土地利用細分メッシュデータは、1976年度版の公開から現在に至るまで、定期的にデータが整備・公開されているため、長期的な土地利用の変化や転用傾向の分析に用いることができます。
国土数値情報の土地利用細分メッシュデータのダウンロードページにアクセスします。次に、ページの下部へスクロールをすると、ダウンロード対象の地域を選択できる画面が表示されるので、目的のエリアのメッシュをクリックします。
さらにページの下部へスクロールをし、任意年度の行の一番右にある[一括DL]のチェックボタンをクリックします。そして、最後に[一括ダウンロード]ボタンをクリックしましょう。
本記事では、千葉県流山市が含まれるメッシュデータをダウンロードして以降の説明を行います。使用するデータの年度は2006年と2014年、2021年の世界測地系のデータです。
画面上に、「国土数値情報ダウンロードサイト ユーザーアンケート」が表示されるので、必要に応じて回答を行いましょう。回答を完了するか[スキップする]をクリックすることで、データのダウンロードが開始されます。
データのダウンロードが完了したら、ZIPファイルを解凍して、「
レイヤ名は「L03-b-21_5339」のような形式で表示されているため、レイヤを右クリックし、[レイヤの名前を変更]から「土地利用細分メッシュ2021年」など分かりやすい名前に変更しましょう。
続いて、土地利用細分メッシュデータの属性テーブルを確認します。レイヤパネルから任意の土地利用細分メッシュデータを右クリックして、[属性テーブルを開く]をクリックします。
属性テーブルを確認すると、いくつかの列が存在していることがわかります。また、それぞれの属性名が「L03b_001」のような形式で記載されていることもわかります。
それぞれの属性が何を示しているか確認したい場合は、土地利用細分メッシュデータのダウンロードページにある「属性情報」の欄を参照してください。
土地利用細分メッシュデータは、整備年度によって属性の内容が異なるので注意する必要があります。
なお、この記事で主に使用する属性の説明については以下に示します。
年度によって、属性の数や名前に違いがある点に注意してください。
表:2006年度(平成18年度)版の属性情報
|
属性名 |
説明 |
|
L03b_001: メッシュコード |
3次メッシュコード |
|
L03b_002:
|
当該メッシュにおける土地利用種別 1:田、2:その他の農用地、5:森林、6:荒地、7:建物用地、9:幹線交通用地、A:その他の用地、B:河川地及び湖沼、E:海浜、F:海水域、G:ゴルフ場 |
表:2014年度(平成26年度)版の属性情報
|
属性名 |
説明 |
|
メッシュ: メッシュコード |
3次メッシュコード |
|
土地利用種: |
当該メッシュにおける土地利用種別 0100:田、0200:その他の農用地、0500:森林、0600:荒地、0700:建物用地、0901:道路、0902:鉄道、1000:その他の用地、1100:河川地及び湖沼、1400:海浜、1500:海水域、1600:ゴルフ場 |
表:2021年度(令和3年度)版の属性情報
|
属性名 |
説明 |
|
L03b_001: メッシュコード |
3次メッシュコード |
|
L03b_002: |
当該メッシュにおける土地利用種別 0100:田、0200:その他の農用地、0500:森林、0600:荒地、0700:建物用地、0901:道路、0902:鉄道、1000:その他の用地、1100:河川地及び湖沼、1400:海浜、1500:海水域、1600:ゴルフ場 |
|
L03b_003: |
当該メッシュ土地利用種別を判読した衛星写真の撮影年月日 |
上述した2006〜2021年度版の土地利用細分メッシュデータの属性情報について、重要な注意点があります。各メッシュの土地利用種別について、2014年度版と2021年度版は同じコードリストに則っていますが、2006年度版は別のコードリストで値が格納されています。
これは、1991~2006年度版のデータと、2009~2021年度版のデータで、どちらも基本的に土地利用種別の分類自体は同一(※幹線交通用地は2009~2021年度版のデータの方が区分は細かい)である一方で、
各土地利用種別に対応しているコード番号が異なるためです。コードの対応表を用意しておくことで、土地利用の変遷をわかりやすくすることができます。以下が対応表です。
表:コードリスト「土地利用種別」の対応表
|
種別 |
土地利用種別(2006年度、1997年度、1991年度) |
土地利用種別(2021年度、2016年度、2014年度、2009年度) |
|
田 |
1 |
0100 |
|
その他の農用地 |
2 |
0200 |
|
森林 |
5 |
0500 |
|
荒地 |
6 |
0600 |
|
建物用地 |
7 |
0700 |
|
幹線交通用地(道路) |
9 |
0901 |
|
幹線交通用地(鉄道) |
9 |
0902 |
|
その他の用地 |
A |
1000 |
|
河川地及び湖 |
B |
1100 |
|
海浜 |
E |
1400 |
|
海水域 |
F |
1500 |
|
ゴルフ場 |
G |
1600 |
後述する作業で土地利用の確認がしやすくなるようにコードリストのCSVファイルを作成しておきます。2006年度のデータに対応するコードリストと、2014年度と2021年度のデータに対応するコードリストのそれぞれを作成し、QGISに追加します。
CSVの読み込みはメニューバーより[レイヤ]→[データソースマネージャ]を選択します。設定手順は以下の通りです。
1.左タブから[CSVテキスト]を選択
2.コードリストのCSVファイルを選択
3.[最初の行は属性名]のチェックを外す
4.[ジオメトリなし]を選択
5.サンプルデータのフィールド名下部のプルダウンから[テキスト]を選択
6.サンプルデータが文字化けしている場合は、[UTF-8]または[Shift-JIS]のどちらかを選択
7.[追加]をクリック
これを2006年度のデータに対応するコードリストと、2014年度と2021年度のデータに対応するコードリストに対して行いましょう。
また、本記事では、各CSVファイルを以下の名前にしています。
1.land_use_codes_2006.csv:土地利用種別(2006年度、1997年度、1991年度)に対応するコードリスト
2.land_use_codes_2009.csv:土地利用種別(2021年度、2016年度、2014年度、2009年度)に対応するコードリスト
土地利用細分メッシュデータの時と同様に行います。
国土数値情報の行政区域データのダウンロードページにアクセスします。ページの下部へスクロールし、
令和7年の千葉県のデータをダウンロードします。
データのダウンロードが完了したら、ZIPファイルを解凍して、「
流山市の位置を把握しやすくするため、QGISのフィルタ機能を使います。
レイヤパネルから「行政区域」レイヤを右クリックして[フィルタ]をクリックします。
「
1.フィールドより[N03_004]をダブルクリック(下部の式欄に「”N03_004”」が入力される)
2.演算子から[=]をクリック(下部の式欄に「=」が入力される)
3.値から[すべて]ボタンをクリック(フィールドで選択している項目の全ての値が表示される)
4.値のリストから[流山市]をダブルクリック(下部の式欄に「流山市」が入力される)
5.式が「"N03_004"= '流山市'」となっていることを確認して[OK]をクリック
マップキャンバスでは、市町村名が流山市のポリゴンのみが表示されるようになりました。
今回利用する土地利用細分メッシュデータは地物数が63万件と非常に多いため、地図の描画や属性情報の確認をスムーズに行うことができません。
そこで、追加した流山市の行政区域データを活用します。
各年度の土地利用細分メッシュデータを流山市の行政区域データと交差する範囲で抽出します。
メニューバーから[プロセシング]→[ツールボックス]を選択します。
プロセシングツールボックスが開いたら、
「ベクタ選択 – 場所による抽出」のダイアログが開いたら、以下の設定で処理します。
1.抽出する地物のあるレイヤ:[土地利用細分メッシュ2006年]を選択
2.空間的関係:[交差する]を選択
3.比較対象の地物のあるレイヤ:[行政区域]を選択
4.出力レイヤ:任意の場所に保存。今回はGeoPackage形式で保存。
(1)出力レイヤの三点リーダーをクリックし、[GeoPackageに保存]をクリック
(2)「output.gpkg」というファイル名で保存する
(3)レイヤ名を聞かれるので、「土地利用細分メッシュ2006年_流山市」というレイヤ名で[OK]する
5.[実行]をクリック
処理が完了すると、「土地利用細分メッシュ2006年_流山市」というレイヤが追加されます。
土地利用細分メッシュ2014年と土地利用細分メッシュ2021年のレイヤも同様の手順を行い流山市と交差する範囲で抽出していきましょう。
最終的に、流山市と交差する範囲に抽出された以下の3つのレイヤがQGISに追加されていることが確認できます。
1.土地利用細分メッシュ2006年_流山市
2.土地利用細分メッシュ2014年_流山市
3.土地利用細分メッシュ2021年_流山市
流山市の土地変遷の把握に必要なデータが揃ったので、土地利用種別ごとに色分けして可視化してみましょう。
その前に、今のままでは土地利用種別がコード番号になっているので、わかりやすいように一手間加えます。
バリューマップは、QGISでポイントやポリゴンに情報を入力するとき、あらかじめ登録しておいたリストからマウスで選ぶだけで入力できるようになります。
また、データ上は「1, 2, 3...」といった数字(ID)で管理していても、画面上では意味のある言葉で見えるため、データが理解しやすくなります。
この機能を使い、土地利用種別を把握しやすくします。
レイヤパネルから任意の土地利用細分メッシュデータ(ここでは土地利用細分メッシュ2006年_流山市とします)を右クリックして、
左タブから[属性フォーム]を選択し、以下の手順で設定を行います。
1.利用可能なウィジェット:[L03b_002]を選択
2.ウィジェット型:バリューマップを選択
3.[レイヤからデータをロード]をクリックし、
(1)
(2)値:[field_1]を選択
(3)説明:[Field_2]を選択
4.[OK]をクリック
設定が完了したら、レイヤ「土地利用細分メッシュ2006年_流山市」の属性テーブルを開いてみてください。
属性「L03b_002」に格納されたコード番号が土地利用種別名で表示されていることが確認できます。この一手間により、土地利用の実態状況が確認しやすくなります。
2006年度のレイヤ「土地利用細分メッシュ2006年_流山市」の設定が完了したので、
「土地利用細分メッシュ2014年_流山市」と「土地利用細分メッシュ2021年_流山市」も同様に設定を完了させましょう。
バリューマップで設定させるレイヤの対応関係は以下の通りです。
1.土地利用細分メッシュ2006年_流山:land_use_codes_2006
2.土地利用細分メッシュ2014年_流山:land_use_codes_2009
3.土地利用細分メッシュ2021年_流山:land_use_codes_2009
土地利用種別ごとに色分けして可視化してみましょう。
レイヤパネルより、レイヤ「土地利用細分メッシュ2006年_流山市」を右クリックして、[プロパティ]をクリックし、以下の手順で、スタイルの設定を行います。
1.左タブからシンボロジを選択
2.モード:[カテゴリ値による定義]を選択
3.値:[▼]をクリックして、[L03b_002]を選択
4. [分類]ボタンをクリック
5.各シンボルをダブルクリックし、凡例(バリューマップで設定した値が表示されます)に応じた色を適切に設定
6.[OK]をクリック
設定した項目に基づいて分類されているはずです。
マップキャンバスを確認すると、レイヤ「土地利用細分メッシュ2006年_流山」が先ほど設定したスタイルで表示されます。
2006年度のレイヤ「土地利用細分メッシュ2006年_流山市」の設定が完了したので、
「土地利用細分メッシュ2014年_流山市」と「土地利用細分メッシュ2021年_流山市」も同様に設定を完了させましょう。
土地利用の変遷を把握しやすくするため、以下の点に注意してください
●同じ土地利用種別(凡例)は同じ色にする
●2014年度と2021年度で区分される道路種別「道路」と「鉄道」は、
2006年度の「幹線交通用地」と同じ色とする(画像では黒色としている)
各年度間で流山市の土地利用にどのような変化があったか確認・分析してみましょう。
以下の年度間の変化を確認してみます。
1.2006年度→2014年度
2.2014年度
それではまず、「2006年度→2014年度」の変化を見ていきます。
レイヤ「土地利用細分メッシュ2006年_流山」と「土地利用細分メッシュ2014年_流山」、
背景地図のみ表示とし、レイヤパネルの上部のレイヤの表示をON/OFFを繰り返すことで、どのような土地利用の変遷があったか確認します。
ここではそれぞれの年度のマップキャンバスを並べてみます。
左側が2006年度の土地利用の状況で、右側が2014年度の土地利用の状況です。
土地利用の変遷を確認してみましょう。
2014年度は2006年度に比べて、以下の土地変遷があったことが確認できます
●森林(緑セル)およびその他の農用地(黄緑セル)が減少し、建物用地(灰色セル)へと変化している。
次に、「2014年度→2021年度」の変化を見ていきます。
左側が2014年度の土地利用の状況で、右側が2021年度の土地利用の状況です。
土地利用の変遷を確認してみましょう。
2021年度は2014年度に比べて、以下の土地変遷があったことが確認できます
●
●その他の用地(黄色)から建物用地(灰色)に変化している。
※「その他の用地」とは、運動競技場、空港、競馬場・野球場・学校・港湾地区・人工造成地の空地などの土地利用が該当する種別です。
総括すると、森林や農用地が開発されて、その他の用地になった後、建物用地へ変遷していく様子が確認できました。
ここからは土地利用の変遷を定量的に解析してみます。
まず、2014年度と2021年度のデータについて、土地利用種別をクロス集計していきます。
クロス集計とは、収集したデータの中から2つ以上の項目(属性)を掛け合わせて集計し、その相互関係や傾向を明らかにする統計手法です。
土地利用の地図上における分布状況を「客観的な数値」に変換し、分析していきます。
クロス集計を行うことを目的に1レイヤに各年度の土地利用種別の値を集約させます。
土地利用細分メッシュデータのメッシュコードをキーにテーブル結合していきます。
レイヤパネルより、レイヤ「土地利用細分メッシュ2014年_流山市」を右クリックして、[プロパティ]をクリックし、以下の手順で、テーブル結合を行います。
1.左タブからテーブル結合を選択
2.再度[+]ボタンをクリック
(1)
(2)結合基準の属性:[L03b_001]を選択
(3)ターゲット属性:[メッシュ]を選択
(4)[OK]をクリック
3.[OK]をクリック
そのままレイヤプロパティでフィールドを確認すると、レイヤ「土地利用細分メッシュ2014年_流山市」に他の年度の属性が追加されていることが確認できます。
メッシュの作成は「Group Stats」というプラグインで行います。
メニューバーより[プラグイン]→[プラグインの管理とインストール]をクリックします。
左側から[全プラグイン]を選択後、検索欄に「Group」と入力します。リストから[Group Stats]を選択し、右下のインストールボタンをクリックします。
プラグインのインストールが完了したら、ツールバーからGroup Statsのアイコンをクリックして起動します。
さきほど、テーブル結合を実施した「土地利用細分メッシュ2014年_流山市」を使用して、2014年度と2021年度の土地利用種別をクロス集計してみます。
1.Layers:「土地利用細分メッシュ2014年_流山市」を設定
2.Rows:「土地利用種」を設定(Fieldsから該当属性をドラッグ&ドロップする)
3.Columns:「土地利用細分メッシュ2021年_流山市_L03b_002」を設定(Fieldsから該当属性をドラッグ&ドロップする)
4.Value:countおよびAreaを設定
5.[Calculate]をクリック
結果を
Group Statsのタブ[Data]から[Copy all to clipboard]をクリックし、クロス集計の結果をコピーし、Excelに貼り付けます。
クロス集計の結果を、わかりやすいように加工したものが下図になります。コード表記については、土地利用種別に置き換えて整理しています。
クロス集計票を分析すると2014年度から2021年度の間で、以下の変化を
●「その他の農用地」および「その他の用地」から「建物用地」に変化した地区が非常に多い
●それ以外の土地種別でも「建物用地」に多く変化している
●「田」や「森林」、「荒地」などが「その他の用地」に変化していることも目立つ。今後、建物用地への転用されることなどが推測できる。
●「建物用地」から「その他の用地」への変化しているセルも多くある。
「年度ごとの土地利用の可視化」と同様のことが確認でき、定量的に結果を再確認することができました。
次に、同様の手順で、2006年度と2014年度のデータについて、土地利用種別のクロス集計を行った結果が下図になります。
クロス集計の結果を比較すると、2014年度から2021度年における土地利用の変化よりも、2006年度から2014年度における土地利用の変化の方が、
建物用地やその他用地へ転用されたメッシュ数が全体的に多いことが分かります。このことから、2014年度から2021度年の間よりも、2006年度から2014年度の間で、より開発が進行していたことがうかがえます。
本記事では、QGISを使用した土地利用細分メッシュの分析手法を紹介しました。土地利用変遷状況の可視化や、定量的に分析できるクロス集計の方法など、実務に即した分析方法としてご活用いただければと思います。
また、これらの手法は、土地利用データ以外の地理空間情報データにも応用できるため、様々な空間分析のヒントとしてご活用ください。