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パークゴルフとナウマン象のまち、北海道幕別町は十勝平野東部に位置しています。
幕別町では、幕別町地球温暖化対策実行計画を策定して、脱炭素・再生可能エネルギー導入に関する施策を積極的に進めております。
今回は、国土数値情報を利用して、再生可能エネルギーの導入に向けた適地分析を行った事例を紹介します。
概要
北海道幕別町では、令和4年(2022年)を「ゼロカーボン元年」として、脱炭素に向けた取り組みを推進しています。この脱炭素に向けた取り組みの一つとして、 町内への再エネ設備の普及促進のため、「令和4年度(第2次補正予算)二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(地域脱炭素実現に向けた再エネの最大限導入のための計画づくり支援事業 (第1号事業の2))」を活用して、再エネ設備の適地誘導を図るために、国土数値情報データを元にゾーニングを実施しました。
使用したデータと加工方法
国土数値情報 自然公園地域データをはじめとする7データのシェープファイルをGISで表示して、該当地域について再エネの適性を評価し、マップ上に表示しました。
評価結果は町の地球温暖化対策実行計画に反映しました。
発電種類ごとのゾーニングマップでは以下のようなエリア設定を行いました。
太陽光発電(大規模) ゾーニングマップでは、保安林対象外の町有林は「促進エリア」に設定しました。
太陽光発電(小規模) ゾーニングマップでは、札内地区、幕別地区、忠類地区の住宅地周辺は屋根上の太陽光を想定し、「促進エリア」に設定しました。
木質バイオマス発電 ゾーニングマップでは、町有林、私有林のうち木質バイオマス賦存量がある場所を「事業可能性エリア」に設定しました。
畜産バイオマス発電 ゾーニングマップでは、町内にて資源利用しやすい酪農を営む牧場のバイオマス発生がある場所を「事業可能性エリア」に設定しました。
陸上風力発電 ゾーニングマップでは、町内全域がオジロワシ、タンチョウなどの棲息域となることから、今回の検討では「促進エリア」は設定しませんでした。
効果または評価
国土数値情報のポリゴンデータを利用して、GISで作図をすることでスムーズに地域特性を把握することができました。
太陽光発電(大規模)、太陽光発電(小規模)、木質バイオマス発電、畜産バイオマス発電、陸上風力発電ではそれぞれ
「促進エリア」、「事業可能性エリア」が異なり、幕別町内の地域ごとに適切な発電方法があることがわかりました。
また、土砂災害危険箇所の周辺はいずれの発電方法にも適さないことがわかり、陸上風力発電は町域全域が貴重な動植物の棲息域であるため、今回は「促進エリア」の設定は行いませんでした。
令和6年2月に計画策定を行ったため、実際に適地で発電を開始するのはこの先のこととなりますが、脱炭素に向けた取り組みの一つとして
効果的な適地誘導を行えたと考えています。
参照サイト